パイプ・イン・パイプ工法とはその名のとおりパイプの中にパイプを布設する工法です。老朽化した既設管に対する非開削更新工法の中で最も代表的なもので、”Pipe In Pipe”の頭文字をとって、「PIP工法」と呼ばれることもあります。
PIP工法は既設あるいは新設のさや管の一部に発進立坑と到達立坑を設け、新管を送り込みながら発進立坑内で接合する更新工法です。既設管の管種は問いませんが、挿入する新管の口径・管長は各工法により異なります。なお、「さや管」とはPIP工法の外管のことを、「新管」とはPIP工法で挿入する管のことをいいます。

PIP工法の標準的な設計施工手順
*各工事において多少異なります。
工法特長
- 交通量の多い主要道路でも施工可能
- 新管・さや管の2重構造のため、新管が他工事等によって損傷する危険性が低い
- 開削箇所が立坑部だけなので、開削工事と比較すると近隣環境への負荷が少ない
- 布設替えに比べ、工期を短縮できる
- 既設埋設物が多く、新たに管を布設するスペースがない場合にも有効
- 立坑部以外は路面復旧・既設管撤去が不要
- 挿入する新管は既設管より小さくなるが、通水能力の低下は少ない
*5~7はさや管が既設管の場合